BCP(事業継続計画)とは?分かりやすく解説してみた!

防災インフォ
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マモル君
マモル君

部長から「BCPを作れ」って言われたんですけど、そもそもBCPってなんなんですか!?

大佐
大佐

良い質問です!今回はBCPについて解説しますね!

この記事を読んでほしい人

  • 企業の危機管理・BCP・防災担当者(特に担当になったばかりの人)

BCPを一言でいうと?

BCPを一言でいうと、自然災害などが発生した時に、企業が早期に事業を復旧させるための方針・体制・手順を示した「計画書・マニュアル」のことです。

BCPとは、Business Continuity Planの略称です。

「ビジネス・コンンティニュイティ・プラン」と発音します。非常に発音しにくいですね。略称で「ビー・シー・ピー」と言われることがほとんどです。

日本語では「事業継続計画」と言います。企業によってまちまちですが、10ページ程度のレジュメレベルから、100ページを超す冊子を作っている企業など、マニュアルとしてのボリューム感は様々です。

BCPという概念ができた背景

背景1:欧米で始まったBCP

1950年代の冷戦期にアメリカが、旧ソ連からの核攻撃に備えて、政府が存続できるように連邦政府存続維持計画(COG;Continuity of Operations Plan)を準備したのがBCPの始まりと言われています。

戦争から生まれた用語なんですね。

この「政府のBCP」の影響を受けて、欧米の企業で危機が発生した時の計画書が作られるようになりました。これが今の企業BCPのベースになっています。

背景2:日本がBCPを輸入しはじめた2001年

日本でBCPが流行り出したのは「2001年のメリルリンチ伝説」からです。

2001年9月11日に「アメリカ同時多発テロ」が発生しました、ニューヨークの世界貿易センタービルにハイジャックされた飛行機が突っ込んだという衝撃のテロ事件です。

そのとき、世界貿易センタービルに居住していた大手証券会社「メリルリンチ」は手際よく対応しました。テロが発生した20分後には従業員を避難させ、業務の代替拠点を作ってすぐに業務を再開したのです。

他の企業はバタバタして仕事どころではなくなっているのに、メリルリンチだけスピーディにしっかりと仕事を再開している・・・これによって他の企業とも差をつけ、信頼を勝ち取りました。

この「伝説」は日本で話題になり、その後、「メリルリンチはBCPがしっかりしていたかららしい」ということでBCPが日本企業の注目を集めました。

【余談】メリルリンチは米国1位の証券会社でしたが、その後、2008年に発生した金融危機「リーマンショック」によって業績を悪化させ、業界2位のバンクオブアメリカに買収されてしまいました。「テロ対策のBCP」は作っていたのに、「金融危機対策のBCP」は作っていなかったのか・・・と笑い話にされることもあります。

背景3:東日本大震災によってBCPが大流行した

2011年3月11日、東北を中心に大地震が起こりました。東日本大震災です。

マグニチュード9という世界的に見ても最大級の地震で、津波によって多くの死者を出しました。

企業の営業所や工場も大半がつぶれました。ほとんどの企業はBCPが不十分だったと思います。

大震災という痛みをもって「やっぱりBCPは重要だ」という論調になりました。

BCPの策定率は?

では、今は日本企業のほとんどがBCPを準備済みなのでしょうか?

残念ながら、BCPの策定率は中小企業で3割、大企業で6割程度です。(政府の2017年調査ベース)

BCPを作るのはかなりの手間です、さらに紙を作るだけでは意味がなく、毎年訓練をやる必要があります。「今、策定しています!」という企業がほとんどです。

BCPのような書類を作ることは、正式には「策定」と表現します。この記事の中では分かりやすいように「作成」や「作る」という表現も使っています。

そもそも、BCPの策定は法律で定められたものではありません。

なので、作っていなくても罰則も何もないため、通常業務に忙しい企業は「面倒だ」と言いながらBCPを作っていないのが現状です。

BCPは作る必要があるのか?

BCPはマニュアルとしてかなりのボリュームがあり、かなり作る手間の大きい仕事です。しかも、法律で定められていることでもありません。このマニュアルは仕事の忙しい中で作っておく意味があるのでしょうか?

結論、あなたが生き延びたければ作った方がよいです。

BCPは安全確保や食料確保、被害復旧など重要な事をマニュアル化します。

会社における防災対策ということです。

会社員は人生の半分、すなわち平日の朝昼はずっと会社にいます。会社で地震が起こったときにどう避難するか定めてなければ、1/2の確率で死ぬことになります。

会社と自宅、両方で何も対策してなければ、大地震が起こったとき死んでしまう確率がかなり高くなります。会社のBCP策定と自宅の防災セット購入は両方あって初めて効果が100%になるということです。

また、BCPは「会社の復旧」までがコンテンツに入っています。

会社の復旧を適当に考えていると、東日本大震災の時の様に、会社が立ち行かなくなり、地震が起こったら倒産してしまい、自分も無職になってしまう・・・

そういうリスクがあるということを理解しておいて下さい。

BCPの目的

そもそもBCPの目的は何でしょうか?私はBCPの目的は3つあると考えています。

  1. 自分達の命を守ること
  2. 社外にアピールすること
  3. ビジネスで勝ち残ること

目的1:自分達の命を守ること

地震や台風が起こったときに自分達の命を守ることがBCPの基本です。

命があって初めてビジネスができます。自分が死んでしまえば家族の生活も含めて全てが終わります。災害時に社会と会社のために命を捧げるなどというバカなことは考えてはいけません。

ポイントは、「自分達とは誰なのか?」ということです。社長と従業員とその家族が対象者だと私は思います。ただし、この定義は会社のBCPによって違います。

BCPのターゲットに「お客様すべてを含む」「お取引先様も含む」と定義している会社もあります。

目的2:社外にアピールすること

「BCPを作っている」とホームページで発表することは、かなり良い影響を与えます。特に株式を上場している上場企業の場合、株価への効果がバツグンです。

  • CSRとして社会的にアピールできる
  • 良い企業として投資家に認められる

平社員や若手にとってはあまり理解しにくいかもしれませんが、投資家やNGOに認められるということは上場企業にとっては絶大な効果があります。株価が上がるのです。

株価が上がると、会社のお金が増えます。

株価が上がると、借金をせずにお金を調達することができます。今まで部長がNOと言っていた新しい機械を買うことができるかもしれません。株価がもっと上がれば、会社が自分の給料を上げたりしてくれるかもしれません。優秀な新入社員を雇うことができるかもしれません。

株価が上がると、経営陣のお財布にもお金が入って社長のご機嫌が良くなるという効果もあります。

目的3:ビジネスで勝ち残ること

3つ目の目的です。私はこれが真の目的だと思っています。BCPの真の目的は「ライバル企業より早く復旧すること」だと私は考えています。

防災関係者の間で、「BCPは美しい国を守るため」「BCPは社会を守るため」などという美辞麗句がよく使われますが、表面的な議論だと感じます。

企業がビジネスをやっている目的は「持続的にお金を儲けること」のはずです。

違いますか?

持続的に儲けることが必要だから、日本の企業はBCPを海外から輸入したのではないでしょうか。

そういう意味で、BCPを策定していれば、緊急時での素早い復旧をすることができます。そして顧客や取引先への大きな信頼に繋がります。災害により事業が滞っている企業が多い中で「対応力の高さ」を示すことは企業の信頼感に繋がりますよね。

「BCPを作っています」と社外に言っておくことで、取引先も「この企業は地震が起こっても我々をサポートしてくれる強い会社だから、取引してもいいかもしれない」と信頼感を勝ち取ることができます。

災害や大事故が発生した直後は誰もが大きなショックを受けてしまいます。そのような状況では、冷静な判断ができず、感情的になるかもしれません。そんなときにBCPを作成しておけば、精神的にも多少は余裕を持つことができ、正しい経営判断ができるようになります。

そのような状況での対応が顧客や取引先との信頼に繋がりライバル会社よりも、一歩リードする状況を作ることになるのです。

もう少し突っ込んで言うと、災害復旧の速い企業はその後の市場シェアを伸ばすことができるのです。BCPがしっかりしていると、同業界の他社よりも速く消費者に商品・サービスを届けられます。そして、消費者は一度使いだすとブランドを切り替えにくいため、そのままシェアを奪還できるというロジックです。

BCPの構成

BCPは主に3つの書類から構成されます。

  1. 非常時対応マニュアル
  2. 復旧マニュアル
  3. 付属資料

一つ一つ説明していきます。

書類1:非常時対応マニュアル

非常時対応マニュアルは大きく3つの行動から構成されます。

  • 安否確認
  • 対策本部の設置
  • 被害状況の確認

地震などが発生した時の初動対応をまとめたものです。この項目は災害や事業が何であっても変わりません。

大地震等が発生したとき、最初にやるべき対応は安否確認です。地震で倒れた機械から発火して火事になったりすることを防止します。挟まれている人を救助したりした後、社長と従業員と家族に問題ないか、電話やメール等で確認します。

その次に従業員を集めて対策本部を設置します。もし就業時間外(夜や休日)に緊急事態が発生した場合、社長と管理職は会社に集まります。そのメンバーで建物や機械の被害状況を確認し、二次被害を防ぐために保全をしていきます。

集まることを「参集」といいます。また誰が何を判断するのかを「体制」と言います。全部社長がやると社長が倒れてしまいます。

書類2:復旧マニュアル

BCPをしっかり作り込んでいる企業はこの復旧マニュアルが分厚いです。

主な内容は下記の通りです。

  • 非常用電源の準備
  • 主担当者以外による作業
  • 取引先への連絡手順

目の前の混乱を収拾させた次の各手順、業務の復旧内容をまとめています。初心者が見ても最低限の業務が動くようなマニュアルをまとめます。

復旧マニュアルは非常時対応マニュアルとは違って、BCPの対象となる事業の種類によって異なります。

書類3:付属資料

最後に本体付属資料です。

  • 従業員や取引先の緊急連絡先リスト
  • 水や食料を配布するための備品リスト
  • 機械の取扱説明書

上記のような資料を準備します。定期的に内容を確認して最新状態を維持しなくてはならない資料が存在します。

この付属資料は情報更新が不可欠です。また、パソコンだけには保存せず、紙の資料を複数用意しておく必要があります。災害時にはパソコンやプリンターが壊れることがあるからです。

「連絡先リストの更新」が一番重要です。よくあるトラブルが、連絡先が古くて災害時に部下や取引先と全く連絡できなかった・・・というケースです。これではマニュアルを作っていても意味がありません。

また、こういった非常事態に備えて平時からの訓練や実習が欠かせないです。従業員に対して救命救急のスキルを身につけさせたり、消火訓練や避難訓練を実施したり、代替え用設備ん動作確認訓練をしたりすることが必要になります。

また、自社のどの事業を優先的に守るかという検討を行い、中核事業を定めることも必要です。自社の状況などにより変化するので定期的に確認をしましょう。

BCPのテンプレートは?

ゼロからBCPを作るのであれば、中小企業庁が作っている「中小企業BCP策定運用指針のページ」を参考にするといいでしょう。

中小企業BCPテンプレート

テンプレートが沢山あってそのままコピペできます。コピペ可なので、お急ぎの人はコピペしましょう。法的に何の問題もありません。

まとめ – 先ずは備蓄品を揃えよう

BCPについて理解が深まってきたと思いますが、BCPをゼロから策定するのは大変です。一方で、大地震が明日起こるかもしれません。もしすぐに何かしないといけないのであれば、備蓄品を揃えておきましょう。

非常食、保存水、ライト、ラジオ・・・備蓄品は買って置いておくだけで命を救います。

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