災害時に一番困るのは、実は「トイレ」です。
地震が発生した時にエレベーターに乗っていたらどうなるのか?
日本エレベーター協会によると、普通は、すぐ最寄り階に止まってドアが開きます。もし止まってしまっても、軽微な揺れであれば後から自動で動き出します。
しかし、大きな地震(震度4以上)の場合は、動かなくなるケースがあります。この場合はそのビルの管理者や防災センター、エレベーター業者の確認がないと動かせなくなります。
首都直下地震の時に東京・千葉・埼玉・神奈川あたりにいたり、南海トラフ地震の時に四国や和歌山、東海地方にいた場合は、この「エレベータストップ」に引っかかっていまう場合があります。
トイレは無理に我慢しない
エレベーターストップに遭遇してしまったとき、一番キツいのが「トイレ問題」です。
大便でも小便でも、1時間であれば何とかトイレを我慢できますが、2時間以上の我慢は無理です。一方で、災害時のエレベーター救出にはかなり時間がかかることも理解しなければいけません。
2011年3月11日に起きた東日本大震災では、震源地からかなり離れた東京都(最大震度5強)でも、84件ものエレベータ閉じ込め事故が発生しました。そしてその救出には最長で9時間かかっています。
2018年6月18日に起きた大阪北部地震は都市部だったためもっとひどい状況でした。339人がエレベータ事故に巻き込まれたという報告が入っています。全てのエレベータが稼働したのは3日後です。
即ち、今後地震が発生した場合、最低でも数時間は閉じ込められることを見積もっておかなくてはいけないということです。最悪ケースだと3日かかるということです。
結論、複数人乗り合わせていたとしても、エレベーターから救出されるまでトイレをずっと我慢しないでおきましょう。ということです。
簡単にできる対応策3つ
トイレをどうすればいいかというと3つ考えるべきことがあります。
- 1)非常用ボックスを使う
- 2)袋・携帯トイレを使う
- 3)トランクを使う
非常用ボックスに溜める
もし運良くそのエレベーターに「非常用ボックス」が備え付けられていたら使いましょう。
「非常用ボックス」とは下のようなボックスです。三角のことも多いです。
この中には食料や水、そして携帯トイレ、トイレットペーパー等が入っています。要するに閉じ込められたとき用のグッズが完備されているというわけです。これを使わない手はありません。
そして当然、非常用ボックス自体が「トイレのような形」をしています。そこに溜めることも可能です。
袋・携帯トイレを使う
ただ、非常用ボックスが備え付けられているエレベーターはわずかです。ほとんどのエレベーターにはそんないいものはついていません。
もし、一緒に乗っている人の中で、ポリ袋や携帯トイレ、オムツや生理用品を持っている人がいれば、それを使わせてもらいましょう。履ければ履くといいですし、袋代わりにするもよしです。
恥ずかしいですが、衛生的に最悪の状況を避けることができます。
トランクを使う
「トランク」ってご存知ですか?
特にマンション用エレベータにはついているのですが、マンションの住人が救急車で搬送されるときに、幅を広げるためのスペースがあります。
これは近くのエレベータですが、開くことができ、中はかなり広いスペースになっています。
できれば携帯トイレ等があると望ましいです。単純に垂れ流しになってしまうため、衛生的ではありません。最悪のケースで使いましょう。
排泄場所は1か所に固める
対応策が3つともダメなら、最悪、その場で四隅のどこかに垂れ流してもよいと思います。
その場合、みんなの排泄物を1か所に固めるようにしましょう。
床中が排泄物だらけだと衛生的にまずい状況になってしまいます。ただ、頭で分かっていても、誰かが排泄した場所にトイレするという行為はかなり勇気が必要です。
ニオイは我慢しよう
どの選択肢を選んでも、めちゃくちゃ臭いです。
あたりまえです、一緒にいるオッサン・オバサンの排泄物の臭いがいい匂いなはずがありません。もし消臭スプレーを持っている人がいれば使いましょう。
また、もし消臭スプレーがなかったとしても、排泄物に触れない様にしておけば、そのうち臭いの強さは気にならなくなります。人間の鼻は20分立てばに強い臭いに慣れてくる性質があるからです。
いつ起こるか分からない大地震です。いつでも対応できるようにしておきましょう。
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